対談者紹介
ふくゆう
1964年生まれ
7年間看護師、12年間介護支援専門員として働いた後、キネシオロジーと出会い、野鳥とつながり野草を活用するキネシオロジーセラピーを行なっている。HP
山本 榛征 やまもと はるゆき
1993年生まれ
現在大阪で鍼灸とパーソナルトレーニングを行う治療院を経営。2018、2019年久米島合宿参加。自身の治療院でキネシオロジーを活用している。HP
インデプスとは… 触れただけで筋肉反射テストの反応を読み取るマッスルテスト。齋藤慶太がタッチフォーヘルスのマッスルテストを進化・発展し生み出したもの。
今日はよろしくお願いします。
まず始めに、お二人が、どういう経緯でキネシオロジーに出会ったのか教えてください。
「看護師なのに、どうして治らないんだろう」
小学校の頃からずっと、ぎっくり腰持ちだったんです。
大人になっても、仕事もできない状態になっていました、月1回のペースで。
痛み止めの薬を飲むと、胃痛がおこる。
だから胃薬を飲んで、更にアレルギーの薬と睡眠薬も飲んでいた。
さらに更年期障害が45歳の頃に始まって、薬が3種類が増えた。
容易に薬が手に入る環境だったから。精神科で働いているのに薬漬け。
医者も同じ。
そんな空気の中にいると、それが異常だって分からなかった。
薬は症状に対しての効き目しかないから、50代になっても解決策が分からないまま、自分の心と体が限界を迎えた。
看護婦の仕事を、もうやってられなくなって。次を考えないまま仕事を辞めた。
そんなの初めてで、相当追い詰められてたと思う。
そんな時に、FBを眺めていたら「キネシオロジー山最高峰!」という広告がでて、最初は慶太さんをトレッキングのお兄さんだと思って(笑)
1人で旅行にでも行こうと思ってクリックしたの。
自分がどうしていいか分からない状況だったから、キネシオロジーに興味を抱いた。
ちょうど福岡の講座内で素人のデモンストレーションの体験者を募集してたから、それに申し込んだ。
その時、私は「仕事にやる気がない」という内容を相談したけど、マッスルテストで出てきた問題は「私は、私を信頼していない」だった。
体験をしたその夜、体に違和感があって、翌朝に腰痛がなくなっている事に気づいた。それはもう衝撃で、根本的なものに気づいた瞬間、ずっと悩まされていた腰痛ですら治るんだって。
デモ中に腰痛のことは喋っていないのに、そんなことあるんだって衝撃だった。
西洋医学では、私の腰痛は「すべり症になっているから痛み止めの薬を飲む対処療法と外科的治療の手術しかない」と言われていた。
その看護師としての価値観が一回のデモンストレーションで180度変わった。
確かに俺も花粉症治ったなあ・・・
4、5年たった今でも腰痛は再発しない、この数年間具合悪くて病院行くことがないですね
「その人の感覚を出せるところに惹かれた」
整体や鍼灸、食事と栄養のことも勉強して、患者さんにに一生懸命伝えてみたけど、それを実践するクライアントがいなかった。
だから、治す人のモチベーションはどうやって高まるのかを考えていた。
もう一つ大きなキッカケが柔整学校の1年の時の元カノ。
うつ病の薬をのんでいて「彼女が死んでしまう」と思うような事が2回あった。
クラスメイトに「うつ病って本当に病気なんですね」って話したら、内海先生※の「精神科は今日もやりたい放題」という本を渡された。
最初は、この本言い過ぎだと思ったけど、自分自身の経験を照らし合わせて、内海先生のことを信頼ていった。
そしてキネシオロジーを知った。心と体の関係についてこっちの知識とか感覚で一方的に伝えていたけど、キネシオロジーの筋肉反射テストを使ったらその人の感覚を反応として取れるところに惹かれた。
作業療法士の飲み仲間に、慶太さんのキネシオロジーを学んだ人がいて、試しにデモンストレーションをしてくれた。その時に「筋肉が弱化している状態でトレーニングやっても効果でないよ」って教えてくれて、それがキッカケで講座を受講した。
内海先生※・・・東京DDClinic院長であり、多数の書籍を出版している医者で、精神薬の使用について啓蒙している著書「今日も精神科はやりたい放題」などがある。
人をケアするお仕事のお2人ですが、どの様にインデプスを使っていますか?
治療する時は普通に使ってます。さりげなく触っているだけでできるし、触らないでもできるので。
どのメニューがいいか、とか五行メタファー※で体の使い方と臓器の関連を一緒にみたり。
そうすると、構造だけでなくその人のひととなりを踏まえてみることができるから、何か気づきがあれば体が緩んだりす。だから、ジャブを入れたりしている。
五行メタファー※(ごきょうめたふぁー)・・・筋肉には花言葉のように筋肉の示すメッセージ「メタファー」がある詳しくはこちら
看護師としての側面と、開業している「ふくゆうH良術」の側面がある。
看護師としてはデイサービスの仕事で2つ、役に立っている。
1つ目は寝たきりの声も出せない人に。インデプスを使うと、言葉はなくとも、どんな姿勢でも利用者さんへ筋肉反射テストができるから、その方の気持ちを汲むことができる。
2つ目は働いている職員さん達に。
みなさん慢性的に疲れていて、血圧が上昇している。職員さんは私がキネシオロジーをやっていることを知っているので、血圧下げる手技をしてあげることがある。アトラスリリースが効く。
でも効果がありすぎて危険。私は看護師とキネシオロジーをミックスしています、キネシオロジーは今、流行っているコロナがもし問題になっていれば「コロナ」って反応するだろうし、本当に便利だよね。「ふくゆうH良術」では、インデプスを使って植物と鳥と会話してセラピーを行なっています。
インデプスと他のマッスルテストの違いを感じることはありますか?
「インデプスでは情報の奥行きが生まれると思う」
通常のマッスルテストは筋肉の強弱でみる、という考え。
でも1キネ上級で習う仰臥位※(ぎょうがい)マッスルテストではクライアントは脱力している。
脱力しているということは、キネシオロジストが動かしたら動くし、任脈をあげてもうごくはず。
仰臥位の後に習うマッスルテストは筋肉の強弱という概念では、なくなってくると思う。
そして、伝わる情報もYESかNOの二択では無くなってくる。
インデプスでYES・NO反応をとるだけなら、ムービングが繊細になっただけ。これはインデプスの初歩的な理解に過ぎないと思ってる。インデプスでは情報に奥行きが生まれると思う。
例えば、YESで反応したとして、YESというアンサーから明暗や奥ゆき、、色合いのニュアンスなどいくつもの情報が流れてくる。同じ様に、任脈※チェックも「任脈を上げたら強い」「任脈を下げたら弱い」というただの上げ、下げの作業ではない。
任脈エネルギーの流れみたいなものをしっかりと捉えて任脈を見れば、教科書にあるようなブロッキング・スイッチングだけではなくて、任脈チェックで筋肉が「ぎぎぎーっ」とするような変な反応など多様な反応がある。
そんな不思議な反応は、経験ある人も多いと思う。任脈エネルギーをしっかり認識して捉えることができれば、もっと情報量が増える。
任脈が上まで上がり切らないことや、上がり方が遅い、上がるけれど下がってくれないとかエ ジプシャンオイルを塗ったら反応が格段に良くなったとか。それと同じようなことをYESというアンサーから、見たり聞きしたり、感じながら情報を得ている。知識で考えているというより、感じている。
仰臥位※(ぎょうがい)・・・クライアントが寝転がった状態で施術を行う体勢のこと
任脈※(にんみゃく)・・・体の前面を通る経絡のこと。筋肉反射テストでは任脈の上がり下がりが重要な要素となる
「情報量多くなる、だからキネシオロジストのグラウディングが大切」
私の最近の傾向は、インデプスで野鳥と繋がって広がって、情報量過多になってしまった。
このセッションのメインテーマはなんぞや?ってなったときに、鳥も、野草もうるさい。
クライアントの上の人もうるさくなった事がある。
全部に繋がっちゃうと情報量が多くなる。自分がフラットな状態になって、しっかりグラウンディングしていないと、どの情報を優先して見ていくか曖昧になるし、情報が歪んでしまう。
私は最近、基本に戻ることの大切さを感じる。フルセッションをやるときに、最初に習った、健康の6角形※に戻ることが多い。
そして淡々とマッスルテストをとる。インデプスで情報がどんどん入ってくると、クラアントが何をしているか分からなくなって、置いてきぼりになる可能性もある。
慶太さんの生徒さんがクライアントならばいいけど、全く関係のない口コミで来た人にそれをやると、不信感になる。インデプスの方が早いんだけどね。基礎からやると3、4時間かかるし、クライアントさんも疲れちゃうのが、今の問題ですね。
健康の6角形※・・・健康には6つの要素に大別されるという齋藤慶太の理論「感情」「栄養」「構造」「環境」「人間関係」「スピリチュアル」
情報量多すぎて困ることは、多いですよね。
情報元はその人だけど、その中でどこにアクセスしたらいいかですよね。
そうですね、最初のマッスルテストが違ったら、セラピーの時間が全部、が間違ってしまう。最近は野草よりは野鳥にアクセス先の方向を変えたんです。野草はうごけないからよく喋るけど、野鳥は自分で動けるから言葉が少ないんです。自分も過渡期で、インデプスでは情報量の調整と塩梅が必要ですね。
通常のセッションではどの様にインデプスを使用していますか?
寝たきりの人とか介護のスタッフの人は勿論使っています。
そうでなくても、まずはインデプスでダーっと情報とって、ストレートアームで本人に確認してもらう。
力が入っているか抜けているか。ソフトタッチだけれど、本人が力が抜けている感覚を納得してもらえるようなやり方で。
インデプスで情報とってからストレートアームは、僕もよくやります、クラアントの認識のためですね。
インデプスでどんどんやっちゃうと早いんですけどね。
では、インデプスが繋がる先とは何でしょう?
「クライアントのハイヤーセルフに繋がる」
この間、座位の状態でインデプスのようにマッスルテストしようと試みたんだけど、できなかった。
やっぱり筋肉をキープしてなきゃいけない段階でフィルターがはいっている。
そんな状態でも多少は深いところに繋がれるけど、限界があると思った。
インデプスをやりだすとハイヤーセルフとのやりとりが多くあります。
慶太さんも、全く反応がとれない人のハイヤーセルフに繋がってトラブルシューティングすることがある。
僕もこの前、アトピーのクライアントで、アトピーに効きそうな品物を一覧に書いてきてくれた。
その中で効くものをマッスルテストで選ぼうとして、インデプスで触れた途端に、何かが高笑いしながら「効くわけねーだろ!」って言ってきてビックリした。
ビビったけど、自分のハイヤーセルフに「続けよう」って言われた。
ブレそうになったときに自分自身がハイヤーセルフにいわれることもある。
他のクライアントでは、前世が反応した。前世って聞くと一般的に前世の宿題が今繰り返すと思っちゃうけど、その時は「クライアントさんの前世の人が、クライアントに怒っている」という結果が出たこともあった。
「野鳥や野草と繋がる」
私は野鳥や野草は宇宙と繋がっていると考えていて、ハイヤーセルフというより、野鳥と野草を活用してセラピーしている。
前に草からの反応で「クライアントに棘の葉っぱを顔にひっつけてやれ」と出た。
私は勿論「いいのかな??」って思った。
クライアントに了承を得て実行したら、突然「母が、、これをやったんです」って泣き出されたことがあったの。
それと、3月で桜が咲くか咲かないかという頃、朝に散歩していて、野鳥のカモが10羽ぐらい一斉に振り返って、丘の上にポツンとある桜の木をみた。
8部咲きくらいだった。小高い丘をのぼって、その桜をじーっとみた後、桜の花をぱくっとたべてみた。桜餅の味のようでおいしいかった。
その経験が修正につながった。
他の桜の木もあったんだけど、その桜の木じゃないといけなかった。
クライアントさんの課題のメタファーがあった。
どちらかというと私は感覚と直感とよく感じるのが嗅覚。匂いが、伝わってくる。通りすがりのおばちゃんが香水でもつけてるのかなと、かたづけちゃっていたけど意外と違うかもしれない。
人によって得意な感覚が感じる様になると思う。
人によって直感は違うんですね。
どこにきくかなんですよね、慶太さんの言い方するのならクラウドなのかも。
最近僕は、ダルマンの陰陽五行っていう本をバイブルにしているんです。
その本の中に人の肉体のまわりにアストラル体とエーテル体※っていうものがあって、著者があの人のエーテル面に見に行こうって自分のエーテル体を送るシーンがあって、それが分かりやすい考えかなと思っています。
アストラル体とエーテル体※・・・神智学などで言われる、体の外にあると言われるエネルギー体のこと
そうですね、最初のマッスルテストが違ったら、セラピーの時間が全部、が間違ってしまう。
最近は野草よりは野鳥にアクセス先の方向を変えたんです。野草はうごけないからよく喋るけど、野鳥は自分で動けるから言葉が少ないんです。
自分も過渡期で、インデプスでは情報量の調整と塩梅が必要ですね。私は自分の魂やハイヤーセルフをセラピーに使っている感覚はなくて、個人的な側面ではとても感じます。
占星術と合わせてみたこれからの私は、、海外に出るというテーマがあって。
魂的には「もう先がないんだから早く行け!」という感じなんだけど。
例えばエジプト旅行にくるのだって、顕在意識の私は「飛行機のトランジット怖いし、苦労しないでさ、久留米にいればいいじゃん。エジプト興味ないわ」っていう自分がいた。
でも私の口は「ねえ、1人でエジプト行ったらどうなるかな?」って頼んでいた。魂とかハイヤーセルフと、顕在意識の自分とでは、違う結果が出ることがある。
私はそれを魂、と丹田・肝と呼んでいる。じゃあ、実際はエジプトに行ってみてどうだったの?っていうと、すごい体験をさせてもらった。
買い物や電車も、なんとか自分でやってみると達成感がすごくあって、自分の長年の殻を破っていく体験になっている。
僕の感覚ではハイヤーセルフは姿形の話じゃなくて、主観の奥にある客観みたいな存在です。
例えばトレーニングを決める時、これもう1セットやったほうがいいか、ハイヤーセルフにきいたとき「やめろ」って言われた。
確かに主観の自分の「もっといったろ」っていうエゴだったと、振り返ることが多い。
または、クライアントの霊障か何かが、だましてくるときもある。そういう中では情報元のとりわけが大切だなと感じています。
1人の体のなかでも、情報元がいくつかある。少し前はそこまで明確にとりわけられていなかった。ふくゆうさんは、情報元をとりわけるときないですか?
深いところと浅い部分で答えが違う事はよくあるよね。
例えば私のお母さん。お母さんの潜在意識が「施術して」って言っているんだけど、表面はいやがっている。
私は本人が「やって」と言うまでは手を出さないことにした。
あとは自分のエゴが入らない様にすることが、とても重要。
ここ3年すぎてオーバートリートメントになるっていう時に、スパッとやめられるようになった。
「慶太さんだったら、もうちょっと結果出すのに。」って思ってしまう自分もいるけど、反応がオーバートリートメントって出たらスパってやめる。
「慶太さんなら」っていうのはこっちのエゴですもんね。
最近、警告かなと思うんですけど、マッスルテスト中に手の甲に、くさびを打たれた様に感じることがあって。そんな痛みを感じたときは一呼吸置く様にしている。
自分ののエゴを押し付けれる危険性はありますよね。どんな人でも、人のために動ける時と人間的になって「分からしてやろう」って気持ちになってしまう時がある。インデプスのレベルでそんなエゴが入ったら大変だと思います。
インデプスの取り扱いについて気をつけている事はありますか?
私は自分の先入観と自我を、とことん無くす事が大切だと思っています。
その手段として、ダブルクローズドで聞いたりもする。
くじを書いてキネシオロジストもクライアントも2人とも内容が分からない状態にしてマッスルテストする。
キネシオロジストは自分が「無」になるよう努力しているけど、フィルターをかけている事もある。それを認めて慎重にやる必要があるよね。
情報の奥行きがかなりあるということだから、その技術があればあるほど注意深くやらなければいけないですね。
興味本位ではやってはいけないと思っています。
インデプスで魂のレベルまでいけると思った時があって。
その人の中でも、情報元が色々あるから、気をつけなきゃいけないと思います。人を生かす技術って人を傷つけもするから。エネルギー量の強いものは特に。
お二人ともありがとうございました!
編集後記
インデプスの話をはじめて聞いた方はスピリチュアルな話が多く、驚かれたかもしれません。しかしキネシオロジーセッションや講座を受講し、人の身体に秘められた「何か」について、あなたの手の平が体験したはずです。インデプスになると、その情報量はさらに広がっていくのですね。
今回の対談では、ふくゆうさんは野草と野鳥、はるくんからはハイヤーセルフ。それぞれとインデプスで繋がるということを教えてもらいました。インデプスまでいくと、人それぞれに得意な連絡先があり、それは自分で探求するしかないものなのでしょう。
筋肉の強弱を超えた先に、どんな感覚が、どんな存在が待っているのでしょうか。
2021.03.03再編集 インタビュアー:ミノ